僕の思考回路は、どちらかと言えば馬ッ鹿ードバイパスだと思う
D.O(@Deeooo954)です。
音楽をやってる人で、エレキキターやエレキベースを弾く人には聴きなじみのあるこの言葉、「トゥルーバイパス」。
このトゥルーバイパスってなんなのか知ってますか?
「んー、言葉はよく聞くけど、具体的にどんなものなのかまでは知らないなー。」ってプレイヤーさんもいるんではないでしょうか?
これは基本的に、「エフェクター」という、音に効果を付けて多彩なサウンドを出す機械に対して使われる言葉で、
エフェクターをONにしていない時の状態の、その特性を指す言葉となります。
このトゥルーバイパスの他にもう一つ、バッファードバイパスという特性もあるんですが、
実は、それぞれのバイパスの違いとその効果正しく把握しておかないと、
間違った使い方で、本来実感したい効果とは逆の効果を引き起こしてしまう恐れがあるんです。
しかも、そうなってしまってるプレイヤーさんが非常に多い傾向があります。
ということで今回は、よく理解して正しく使ってもらいたいので、
その2つのバイパスがどんな仕組みで、どんな場合にどちらを使うのがいいのかを解説してみたいと思います。
トゥルーバイパスとバッファードバイパスって何が違うの?

トゥルーバイパスとバッファードバイパスの1番の違いは、
エフェクターをOFFにしている時に、バッファーがかかっているかいないかです。
バッファーとは、インピーダンスを変換する機能のことです。
このインピーダンスを変換することで、ギターやベースから出る音がなんと、
- 音が太くなったり
- ノイズが消えたり
- ハイ立ちが良くなったり
ギターリスト、ベーシストの往年の悩みを根本から解消してくれることに繋がります。
ん?それなら常にバッファーがかかっていた方がいいんじゃない?
って思った方もいるんじゃないかと思いますが、
そしたら、わざわざ2つの方式がなぜ存在する必要があるでしょうか?
それは、これから説明する、ギターやベースから出る信号がエフェクターを流れる
そのメカニズムを知っておくと、よく理解できることでしょう。
ギターやベースの出力(信号の電力)のメカニズム

ギターやベースから出力される信号って、電気の流れの中でも、凄く微弱な電力として出力されるのですが、
その電力を微弱なものにするために、電気が流れる時にかかる本来の圧力(日本は100Vが基準電圧)に抵抗をかけて加工し、電流を微量にして流します。
この時に、家庭用コンセントから流れてくる電気の電圧は100Vで固定されているので、
電流を調整するためには、調整弁のようなものを使うしかなく、
それが、抵抗と言われるモノとなり、その抵抗の度合を表す言葉をインピーダンスといいます。
オームの法則ですね。
楽器の中でも、電線(ケーブル)をつないで音を出す電子楽器で、電源を入れなくても音が出るものの代表格が、ギターやベースなんですが、
ギターやベースは、音を出すためにつなぐアンプ機器から電気をもらって動いていて、その電気が楽器本体の中を通り音声信号になってアンプ側に返ってくるんですが、
この信号化された電気にはものすごく抵抗がかけられています。
これを、ハイインピーダンスといいます。
特に、その電子機器自体にコンセントプラグが付いてなくて、電気をコンセントから直接とらなくても、
何か他の線を繋げると勝手に動くような機器(パッシヴ機器)では、このハイインピーダンスな電力で駆動するようになっています。
なので、ギターやベースは、シールドと言われる音声信号を伝達する専用のケーブルをつなぐことで、スピーカーからその楽器の音が出ますよね。
というわけで構造上、ギターやベースの出力は、ハイインピーダンスになります。
ハイインピーダンスは、微弱なため、様々な影響を受ける

音を出す際に使う電気って、電気の電流を沢山流すより、電圧が大きいほうが良い音が出せる原理があるので、
このように、部品を使って電流を微量にして、ハイインピーダンスな電気として効率よく圧が出るようにしてあります。
例えば、水をホースから出す時に、先っちょを潰して放水すると、
出てくる水の流れは速くなり、水がモノに当たった時の圧力は強いですよね。
そうすると勢いが出て、汚れを吹き飛ばす効果が増しますよね。
その勢いを出すために潰している部分に、抵抗がかかるから、圧が強くなったわけです。
これと同じ仕組みで電気を流すから、効率が良いわけです。
ただしこのハイインピーダンス信号は、実は電気的影響を受けやすいという特徴があります。
先程の、先を潰したホースの水も、風が吹いたらその影響を受けやすく、風向きに沿って曲がりますよね。
ということで、ハイインピーダンスな電気は、周りからの影響を受けやすいということになります。
その影響とは、周りに存在するより強い電力が流れている電子機器や電線からの、電磁波や漏れ電流によってです。
そのことから本当は、必要な所にはこのバッファー機能を使って、信号をよりローインピーダンスに変換してやると良いんです。
なぜトゥルーバイパスとバッファードバイパスが存在するのか

ではなぜ、エフェクターのバイパスには、2つの方式があるのでしょうか?
それは、ケースによっては、バッファーを使用した方がいい時と、使用しない方がいい時があるからです。
いわゆる、「組み合わせによっては」ってヤツですね。
従来は、エフェクター回路を電気信号が通る際に、勢いが強い状態の信号が回路に流れ込むと、効率よく取り込むことができないことから、
バッファーを通して、緩い勢いに変換してから取り込むのですが、
エフェクターに届くまでは、音の性能をしっかりと届けるために、ハイインピーダンスな信号で出力するわけです。
なので、必要以上にローインピーダンスに変換しない方がいいケースもあるんです。
そのために、バイパスには2つの仕様が存在しているんです。
ちなみに、自分の持っているエフェクターがどちらのバイパス方式を採用しているのか知りたい時は、
エフェクターを繋いでいる状態で、そのエフェクターの電源自体を切って楽器を鳴らしてみてください。
その状態でも音が出れば、そのエフェクターはトゥルーバイパスとなっていて、
全く音が出なくなったら、そのエフェクターはバッファードバイパスとなっています。
では、この2つのバイパス方式の特徴を説明していきます。
トゥルーバイパスとは
エフェクターOFFのバイパス時に、そのエフェクターの前にある機器から送られてきた信号に、
バッファーをかけないで、そのままの状態で次のエフェクターまで信号を送るバイパス方式のことを言います。
エフェクター回路を通らない直通の回路が別にあって、エフェクターをONにした時だけエフェクター回路を通るため、
OFFの時では、その機器より前にある機器の発する電気信号を、そのままの値で流せることから、
その機器の影響を与えることなく、スルーさせて次の機器まで信号を飛ばせます。
沢山エフェクターを繋ぐと、本来出るはずの音が濁って出てきてしまったり、シグナルノイズが乗ってしまうことがありますが、
バッファードバイパスのように、使ってないエフェクターまでバッファー回路を通してしまうと、電気的影響を受けてしまい、そんな結果になりやすいです。
エフェクター単位でエフェクトループを設定してスイッチャーで操作すると問題ないのに、
エフェクターを直列で横一列につないでいくと音がやせてしまうのが、この原理によるものです。
音が太くなるはずのバッファー効果が、逆の効果を発生させたということです。
それがトゥルーバイパスだと、バイパス時(エフェクターOFF時)はエフェクターを繋いでいないのと同じことにできるので、それを防げたりします。
もちろん、エフェクター回路の方には、回路前にバッファーが設置してあるので、ONの時にはバッファーがかかります。
エフェクターをかける時にはその方がいいからです。
必要な時にはちゃんとかかるけど、不必要な時までは効果がかからないようにするために、トゥルーバイパス(ノンバッファードバイパス)のエフェクターがあるんですね。
このように、トゥルーバイパスは、「スルーバイパス」でもあるんです。
バイパスってものは本来、目的地に行きたい時に、目的が無い場所も通らないと行けない道(寄り道)を使わなくても、目的地まで真っ直ぐに行けるようにしたものじゃないですか。
道中、そこまでは要らないものが視界に入らなければ、余計な情報が目の前にちらつがず邪魔をしないので、
より効率よく到着できますしね。
バッファードバイパスとは
どんな状態でも、必ずバッファー(インピーダンス変換)を通しているのが、バッファードバイパスです。
本来、エフェクターなどの音響機器は、入力側で受けた(自分の元に届いた)信号が自分達のスペックに合わせて効率よく電気回路を通せるように、
ハイインピーダンス設定で受けるようにしてあるんですが、
その信号が回路を通る前にバッファーを通して信号を変換することでちょうどいい圧の信号になり、
入力時に届けられた信号よりローインピーダンスで出力される仕組みとなってまして、
回路を通る前にローインピーダンスに変換させてしまうバイパス方式です。
ギターやベースから届けられる信号は、基本的に(アクティブピックアップ以外は)ローインピーダンスで無く、ハイインピーダンス信号で出てくるから、
それをバッファー機能で変換し、エフェクター機器にとって最適な「ロー入り」にしてやる
ってのを、エフェクター単位でやってしまうのがバッファードバイパスのエフェクターですね。
エフェクターにとっては、バッファーを通った後の信号の方がなにかと都合がいいわけですが、
この方式では、電気が回路を通る前に、バッファーを通してから回路を流すようにしてあるので、
バッファーを通った後の電気信号の色合いになります。
なので、どうしてもそのバッファーを通った音質になってしまうので、
その色合いに染まらないようにするために、エフェクターをONにしない時には別の回路を通せる、
トゥルーバイパス方式も存在しているわけですね。
結論:トゥルーバイパスとバッファードバイパスを組み合わせて使用する

どうでしたか?
結局は、どちらがいいのかってのは甲乙つけるものではないですが、
トゥルーバイパスばっかりやバッファードバイパスばっかりで一本化すると、
残念なことになる可能性が高いということです。
なので、必要性から考えて、これらのエフェクターをどう組み合わせるのがベストかというと、
バッファードバイパスのエフェクターを1つだけ、ギターやベースからすぐ近くに配置して、
そのあとのエフェクターは、全てトゥルーバイパスなものを並べて使用するのが最適です。
そうすることで、
- 音が痩せなくなる
- ノイズが減る
- よりハッキリとした音になる
などの効果が現れて、音全体が良くなったり、その後のエフェクターの効きが良くなります。
原理的には、ギターやベースからのハイインピーダンスな信号を、一回だけローインピーダンスに変換すれば、
あとはエフェクターが自動的にハイインピーダンスで受けてローインピーダンスで出してくれるので、
バッファーは最初に1回だけかけれたらいいわけです。
もし、使っているエフェクターが全てトゥルーバイパスだったり、
バッファードバイパスのエフェクターが、ギターやベース側(プリ側)では無く、アンプ側(ポスト側)に近い配置になるようでしたら、
その場合は、ギターやベースのすぐ次に、「バッファー」という専用のエフェクターを使用することで思い切ってローインピーダンス信号に変えてやればいいです。
もし、ギターやベースのピックアップがアクティブタイプのものだった時は、すでにローインピーダンスで出力されるようになっているので、(電池を使って増幅させた信号の出力ができるから)
もう楽器内でバッファーされているため、その場合は必要ありません。
エフェクターを沢山並べて使うことは確かに非常に魅力的ですが、それっていい音を出したいから沢山並べているはずです。
でも、知らないで使っていたことで悪い音が出ていたらとしたら、エフェクターを使ったら逆にアウトですよね。
エフェクターは、使い方を勉強する前に、繋ぎ方を勉強しておきましょう^^
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